過活動膀胱
過活動膀胱とは
過活動膀胱(OAB)とは、膀胱が勝手に過敏に収縮してしまうことで、尿をためる機能に障害が起きる病気です。
急に強い尿意を感じて我慢できず、頻尿や尿失禁を引き起こすのが特徴です。
高齢者に多く見られますが、年齢や性別に関係なく発症することもあります。
主な原因
以下のうち、「尿意切迫感」があることが必須条件です。
▼ 主な4つの症状:
●尿意切迫感
→ 急に強い尿意が起こり、我慢できない
●昼間頻尿
→ 日中に排尿回数が8回以上
●夜間頻尿
→ 夜間に1回以上トイレで目が覚める
●切迫性尿失禁
→ 我慢できずに尿が漏れてしまう(※必ずしも全員に起こるわけではありません)
症状
▼ 原因が特定できない「一次性OAB(原発性)」が多いですが、以下のような要因も関与します:
加齢による膀胱機能の変化
脳・脊髄疾患(脳梗塞、パーキンソン病など)
骨盤底筋のゆるみ(特に出産経験のある女性)
前立腺肥大症との関連(男性の場合)
ストレスや生活習慣の影響
治療方法
▼ 1. 生活習慣の見直し(行動療法)
排尿日誌をつける
排尿間隔を少しずつ延ばす「膀胱訓練」
カフェイン・アルコールの制限
適度な水分摂取(取りすぎも控える)
骨盤底筋体操(特に女性に有効)
▼ 2. 薬物療法
抗コリン薬:膀胱の収縮を抑える
β3作動薬:膀胱をリラックスさせる
※副作用(口の渇き、便秘、頭痛など)に注意が必要
▼ 3. その他の治療
ボツリヌス療法:膀胱にボツリヌス毒素を注射して過剰な収縮を抑える
電気刺激療法(TENS):神経への刺激で症状を改善
合併症・注意点
QOL(生活の質)の低下:外出や仕事に支障が出る
転倒リスクの増加(特に夜間頻尿による高齢者の夜間トイレ)
うつや不安症状の併発