腎臓がん
腎臓がんとは
腎臓がんは、腎臓にできる悪性腫瘍で、主に尿をつくる部分(腎実質)に発生する「腎細胞がん(RCC)」が約90%以上を占めます。
50~70代の中高年男性に多く発症し、早期には症状がほとんどないのが特徴です。
近年は健康診断や画像検査の普及により無症状で見つかる早期がんが増加しています。
主な原因
●喫煙
喫煙者は非喫煙者に比べ、腎臓がんのリスクが約2倍に上がります。
●肥満・高血圧
内臓脂肪の蓄積や血圧の上昇が関係しています。
●遺伝的要因
特に「フォン・ヒッペル・リンドウ病」などの遺伝性疾患に関連。
●長期透析
透析歴が長い患者にできやすい「腎嚢胞」ががん化することがあります。
●その他
男性に多い、化学物質(特定の職業暴露)などもリスク要因とされます。
症状
早期の腎臓がんは無症状のことが多く、進行するにつれて以下のような症状が現れます:
血尿(肉眼で見える、または顕微鏡的)
側腹部や腰のしこり・痛み
倦怠感、体重減少、食欲不振
発熱、貧血
静脈血栓症(下肢のむくみなど)
※ 骨・肺・肝臓などに転移した場合、転移先の症状が先に現れることもあります。
治療方法
●手術(外科的切除)
腎部分切除術:小さながんに対して腎臓を温存。
腎摘除術:腎臓ごとがんを切除(進行がんや腎機能が低下していない場合)。
●分子標的薬・免疫療法(進行がん)
血管新生阻害薬(チロシンキナーゼ阻害薬)や免疫チェックポイント阻害薬などを使用。
点滴や内服でがんの進行を抑制。
●凍結療法・ラジオ波焼灼療法
高齢者や手術が難しい人に対して、針を刺して腫瘍を凍結・焼灼する治療。
予後と再発防止
早期発見であれば、治癒の可能性が高いがんです(5年生存率90%超)。
術後も定期的な画像検査による再発チェックが必要です。
禁煙・肥満防止・血圧管理などの生活改善も再発予防につながります。