尿道炎とは

尿道炎とは、尿道(尿の通り道)に細菌やウイルスなどが感染し、炎症を起こす病気です。
男性に多く見られますが、女性にも発症します。感染症としての側面が強く、性行為を介して感染することも多いため、性感染症(STI)の一つとして扱われることもあります。

主な原因

尿道炎は、大きく以下の2つに分類されます。

(1) 淋菌性尿道炎
淋菌(Neisseria gonorrhoeae)による感染
性交渉により感染することが多い
発症は早く、症状も強く現れやすい

(2) 非淋菌性尿道炎(クラミジア性など)
クラミジア(Chlamydia trachomatis)が最も多い原因菌
その他、マイコプラズマ・ウレアプラズマ・トリコモナス・ウイルス(単純ヘルペスなど)なども
▼ その他の原因
細菌性膀胱炎からの波及
外傷(カテーテル挿入など)
化学物質・石鹸・洗剤による刺激

症状

▼ 男性の場合(目立ちやすい):
排尿時の痛み・灼熱感(尿道のヒリヒリ)
尿道から膿(うみ)が出る(特に朝)
尿の濁り、血尿
会陰部の違和感や軽い痛み


▼ 女性の場合(症状が軽く気づきにくい):
排尿時の痛み、頻尿、軽い不快感
膣炎や子宮頸管炎と併発することも

治療方法

▼ 原因菌に応じた抗菌薬の投与が基本
● 淋菌性尿道炎:
セフトリアキソン(点滴または筋注)などの注射薬+マクロライド系内服
● クラミジア性尿道炎:
アジスロマイシン、ドキシサイクリンなどの内服薬

▼ 治療上の注意
パートナーも一緒に治療しないと再感染のリスクが高い
治療完了まで性交渉は控える
完治確認のため、再検査が必要な場合あり

合併症と注意点

放置すると前立腺炎、精巣上体炎、不妊症の原因になることも
女性では子宮頸管炎や骨盤内炎症性疾患(PID)に進展する恐れも
感染拡大防止のため、適切なコンドームの使用・定期的な検査が大切