勃起不全とは

勃起不全(ED)とは、性行為に十分な勃起が得られない、あるいは維持できない状態を指します。
完全に勃起できない場合だけでなく、「途中で萎える」「満足な硬さが得られない」といったケースもEDに含まれます。
年齢に関係なく発症し、治療によって改善が期待できる疾患です。

主な原因

EDは大きく分けて以下の3タイプに分類されます:

(1) 器質性(体の異常が原因)
血管障害:動脈硬化、高血圧、糖尿病、脂質異常症など
神経障害:脊髄損傷、前立腺手術後、多発性硬化症など
陰茎の構造異常:ペイロニー病(陰茎湾曲)

(2)心因性(心の問題が原因)
性的プレッシャー、不安、うつ病、ストレス
若年男性に多く見られる

(3)薬剤性・混合型
降圧薬、抗うつ薬、抗精神病薬などの副作用
器質性と心因性が組み合わさる場合も

症状

勃起しない、または持続しない
性交中に中折れする
性欲はあるが反応が乏しい
朝立ち(夜間勃起)が減った
※「たまに失敗する」は誰にでもありますが、「繰り返す」「不安になる」ようならEDの可能性があります。

治療方法

▼ 1. 生活習慣の改善(軽度の場合)
禁煙・節酒
適度な運動・肥満の改善
睡眠やストレス管理

▼ 2. 内服薬(第一選択)
■ PDE5阻害薬(陰茎の血流を改善):
シルデナフィル(バイアグラ)
タダラフィル(シアリス)
バルデナフィル(レビトラ)
※ 性的刺激があって初めて効果を発揮します
※ 心臓病薬(硝酸薬)との併用は禁忌

▼ 3. その他の治療法
陰茎海綿体注射(ICI療法)
陰圧式勃起補助具(ポンプ装置)
ペニスインプラント手術(重度で薬が効かない場合)

心因性EDへの対応

心理カウンセリングや精神科的サポート
パートナーとのコミュニケーション
性生活への過度な期待やプレッシャーを減らす工夫

予後と注意点

多くのEDは治療可能です
早期に対処することで自信回復・QOL(生活の質)の向上が期待できます
EDは糖尿病・心血管疾患の初期サインであることもあるため、全身疾患の早期発見にもつながります