腎機能が悪いと言われた
症状
数日から数時間~数日、数週の間に急激に腎機能が低下する状態を急性腎障害、数か月(3か月以上)~数年かけて腎機能が徐々に低下するものを慢性腎臓病と区別します。腎機能が低下した場合、自覚しやすい症状として、朝起きた時の瞼やお風呂に入る時の足のむくみ、運動時の動機・息切れがあります。腎臓は体の中の老廃物と余分な水分を尿として体外へ出します。この機能が低下すると体内に余分な水分が残り、次第に体重が増えむくみとなります。また症状が進むと心臓や肺に水がたまり、寝ると咳が出たり息苦しくなったりという症状が出てきます。また、腎臓は造血ホルモンを作っており、腎臓の働きが低下すると貧血になり、やがて階段などで動機・息切れを自覚するようになります。その他にも老廃物の蓄積により、食欲不振や吐き気などの消化器症状が出現することがあります。言動がおかしくなったり、正常な判断がつきにくいなど認知症のような症状が出ることもあります。腎機能悪化が進行すると果物や生ものなどに多く含まれるカリウムという成分が血液中に蓄積し、ついには心臓の働きにまで悪い影響が出るようになります。
検査
血液検査で尿毒素の一種である血清クレアチニン(検査用紙にはS-Crと表記)の値が異常になっていることで診断がつきます。健診でも大概は調査項目に入っている一般的な検査です。尿中のタンパクや糖の異常で気付くこともあります。また、腹部の超音波検査で腎臓の腫れや、サイズの縮みによって診断されることがあり、定期的な健診が慢性腎不全の早期発見には有効です。
治療
急性腎障害は多い原因では脱水や薬物の影響で起こり、そういった場合には点滴や、薬物の中止などで対処します。腎臓の機能は元に戻る場合もありますが、速やかな治療が必要です。急性腎障害も慢性腎臓病も末期腎不全にまで進行すると透析療法(血液透析か腹膜透析)か腎移植が必要です。透析に比べ腎移植では、より健康に近い暮らしが実現できますが、腎提供者(ドナー)が必要です。詳しくは受診した際にご相談ください。慢性腎臓病では、末期腎不全になる前に、その原因に対処することが重要です。そのためには検尿や定期的な血液検査必要であり、定期的な運動習慣、バランスのとれた食事、生活習慣病の予防や治療、禁煙などが重要となってきます。