慢性前立腺炎とは

慢性前立腺炎は、前立腺に慢性的な炎症や不快感が生じる病気です。細菌感染があるタイプと、感染が見られない非細菌性タイプ(慢性骨盤痛症候群とも呼ばれます)があり、特に後者は原因がはっきりしないことが多く、治療にも時間がかかる場合があります。

主な原因

●細菌感染(細菌性)
大腸菌などの細菌が尿道や膀胱から前立腺に入り込み、慢性的な感染状態となることがあります。

●非細菌性(原因不明が多い)
ストレスや自律神経の乱れ、冷え、長時間の座位、排尿異常、筋肉の緊張などが影響。
多くはこのタイプで、検査で細菌が見つからないにもかかわらず症状が長引きます。

症状

症状は多岐にわたりますが、以下のような慢性的な不快感が特徴です。

会陰部(肛門と陰嚢の間)の鈍い痛みや違和感
排尿時の違和感・灼熱感
頻尿・残尿感・尿が出にくい
射精時の痛み、不快感
性機能の低下(EDや射精障害)
下腹部や陰嚢、太もも付け根の不快感
※ 症状は波があり、良くなったり悪くなったりを繰り返すことが多いです。

治療方法

●薬物療法
抗菌薬(細菌性の場合):一定期間の投与で症状の改善を図ります。
α1遮断薬:尿道や前立腺の筋肉を緩め、排尿をスムーズにします。
漢方薬:東洋医学の観点から正邪のバランスを整え、治療します。有効とされる漢方薬は数種類あります。
鎮痛薬や抗不安薬:痛みやストレス性の症状に対応します。

●生活習慣の改善
長時間座りっぱなしを避ける(自転車やデスクワークに注意)
アルコール、カフェイン、刺激物の制限
睡眠やストレス管理の徹底
規則的な排尿・排便習慣

●エムセラ治療
当院採用のエムセラにて血流改善、症状緩和が見込める場合があります。

再発・慢性化を防ぐには

ストレスのコントロール
排尿トラブルの早期対処
定期的な泌尿器科での診察とセルフケア

慢性前立腺炎は、「目に見えない痛み・不快感」が続くことによる心理的ストレスも大きいため、医師との信頼関係と継続的な治療がカギになります。