精索(精巣)捻転症とは

精索捻転症(精巣捻転症)とは、精巣へ血液を送る「精索(せいさく)」がねじれて血流が途絶える緊急疾患です。
血流が止まることで精巣が壊死してしまう恐れがあり、緊急手術が必要です。
特に思春期の男子(10~20代)に多く発症しますが、幼児や成人にも起こることがあります。

主な原因

多くははっきりとした誘因がないまま突然発症しますが、以下のような要因が関与するとされています。

▼ 主な誘因・背景
睡眠中や運動中などに突然発症することが多い
「ベルクラップ変形」と呼ばれる解剖学的特徴があると、精巣が陰嚢内で回転しやすくなります
寒冷刺激や外傷などが引き金になることもあります

症状

突然の陰嚢の激しい痛み(片側)
陰嚢の腫れ・発赤・熱感
嘔吐・吐き気を伴うことが多い
精巣がいつもと違う位置(高い位置)にある
体を丸めるような姿勢になるほどの強い痛み
※乳幼児では痛みをうまく訴えられず、「急に不機嫌になった」「歩かない」などで気づくこともあります。

治療方法

▼ 緊急手術(精巣固定術)が基本です!
発症から6時間以内なら高い確率で精巣を温存可能
12時間を超えると壊死して摘出(切除)しなければならないリスクが高まる
▼ 手術内容
精巣のねじれを戻し、血流が回復すれば精巣固定(固定術)
血流が戻らない場合は精巣摘除(片側切除)
反対側の精巣も将来の予防のために一緒に固定することが多い

予後と注意点

早期手術でほとんどのケースは精巣温存が可能
放置すると不妊症の原因やホルモンバランスへの影響が出ることも
痛みがあるまま我慢しないことが重要!・対処が重要です。